質問
2024年10月08日 回答
現実的ではないので思考実験としてですが、自民党が分裂することはありえるでしょうか?
これだけ野党に魅力がなく、自民一強の状況となると、いっそ自民党が政治的主張の違いに沿って、派閥ごとに分裂してくれれば、小選挙区制の選挙でも民意が反映されやすくなるのにな、と思ってしまいます。素人の思いつきなんですが、りおぽんさんはどう思われますか?
回答
「現実的ではない」と考えていらっしゃるようですが、僕は「あり得ないことではない」と考えています。旧安倍派などの保守派系議員にとっては、「裏金議員」とわざわざ烙印を押されて選挙戦を戦うことになったわけなので、心の中で「こんなことなら保守新党を結成して選挙戦を戦う選択をした方がマシだったかも」と考えている方はけっこう多いと思います。ですから選挙後の戦後処理を石破さんが誤れば、自民党が分裂する可能性は十分にあります。
過去に自民党が分裂した歴史をちょっと振り返ると、河野太郎パパの河野洋平さんらが「新自由クラブ」を結党したのは、田中角栄さんが金脈問題を追及されて総辞職、ロッキード事件が発生したタイミングでした。河野洋平さんは当時、「自民党若手のプリンス」とも呼ばれ、総裁候補にも名前が上がる実力者でした。
武村正義さんや鳩山由紀夫さんが自民党を離れて「新党さきがけ」を結党したのはリクルート事件がきっかけです。その後、さらに小沢一郎さんと羽田孜さんが宮澤喜一首相への不信任案に賛成票を投じた挙句に自民党を離党、新生党を結成するわけですが、この原因になったのは、東京佐川急便事件でした。
自民党には「保守本流」と言われる派閥があって、まず1つが池田勇人さんが結成したリベラル色が強い議員が多い「宏池会」です。これは最近では「旧岸田派」と「麻生派(志公会)」、「有隣会(谷垣グループ)」などに分かれていました。
2つ目が自由党鳩山一郎派に源流を持って、岸信介さんに集まっていた議員を、福田赳夫さんが引き継いで結成した「清和会(旧安倍派)」です。同派所属議員には鳩山さんの頃から「自主憲法制定、日本の再軍備」を主張される方が多かったので、自民党保守派議員の中核になってきました。岸信介さんが、安保改定や日本の自主外交を推進したように、日本の外交戦略・安全保障戦略に大きな影響を与えてきた派閥です。
3つ目が自由党吉田茂派に源流を持って、長期政権を築いた佐藤栄作さんの「周山会」、この佐藤派を乗っ取った田中角栄さんが結成した「木曜クラブ」の流れを組む「経世会」でした。竹下登さん、橋本龍太郎さん、小渕恵三さんが首相に就いている名門派閥でした。分裂を繰り返した結果、現在では旧茂木派(平成研)などとして続いていました。
この経世会が竹下派であった当時、竹下登さんと金丸信さんの両頭体制で、自民党内の一大勢力となって勢力を振るい、金丸信さんは「政界のドン」と呼ばれる存在になります。この竹下さんと金丸さんのどちらとも関係が良かったので、若手ながら重用されたのが小沢一郎さんでした。
金丸信さんが東京佐川急便事件で逮捕された後、経世会は竹下登系と羽田孜系に分裂するんですが、羽田孜系を実質に仕切ったのが小沢一郎さんでした。自分が世話になった親分格の金丸信さんの逮捕を受け、自分が面接という前代未聞のことをやって総裁に選出した宮澤喜一首相への不信任案に賛成票を投じて、自民党を分裂させて新党を結党するーー僕にはいまだにこの時の小沢一郎さんの行動論理には理解不能gなところがあるんですが、往々にして政治とはそういうものです。
結局、この新生党結党で自民党は宮澤首相不信任案可決後の解散で過半数割れになり、新生党と新党さきがけ、それに細川護煕さんが結党した日本新党が躍進しました。小沢一郎さんがこの3党と社会党、公明党、民社党、社民連、民改連の合意を取り付けた結果、8党派大連立の細川護煕首相が誕生したわけです。この時野党になったのは、自民党と共産党だけでした。
この8党派大連立なんて、1980年代の日本国民に言ったら、「ありえない」と失笑されたと思います。田中派以来、金権体質をしばしば追及されてきた経世会が分裂して、小沢一郎さんの手法を痛烈に批判してきた社会党だとか社民連までが連立に加わったわけですから。昨日の敵は今日の友ということですね。
まあこんな大連立政権が長続きするわけもなく、細川後継の羽田孜内閣は約2ヶ月で早々に瓦解、自民党が社会党と新党さきがけを抱き込んだ「自社さ連立」の村山富市内閣が誕生します。この内閣は首相は社会党の村山さんでしたが、外相は自民党総裁の河野洋平さん、蔵相はさきがけの武村正義さん、通産相は橋下龍太郎さんという、外交と経済政策は自民党的という不思議な政権でした。55年体制の2大政党が手を組んだので、事実上これで55年体制が終焉しました。
この自民党が分裂して下野、連立政権が離合集散を繰り返し、不安定な政権が短期間でコロコロ変わったのは、ちょうど昭和バブルが崩壊したのが明らかになった1993年あたりからです。バブル崩壊に政府が有効な手をほとんど打てず、空白の30年になった背景には、この時期の政治家たちが政治ゲームで忙しく、経済政策どころではなかったことが大きいと思います。また短期間で首相が交代するので、世界における日本の政治への信頼は失墜、日本のプレゼンスは大きく落ちました。
以上のように、自民党が分裂したのは、いずれも「政治と金」の問題が起こって、その処理をめぐって紛糾した「後」です。今回はまさにそのケースにあたります。だから「ありえない話ではない」と僕は思うわけです。新生党の時は保守本流の一派閥である経世会が分裂しましたが、もし今回、自民党がもし分裂することになれば、保守本流の一派閥である清和会系(旧安倍派系)が保守系新党を結成するかどうかという話になります。
キーパースンは高市早苗さんと福田達夫さん、そして政策的に近く、政策科学研究会(中曽根派)に源流を持つ志帥会(旧二階派系)が同調するかどうかだと見ています。外部で日本維新の会と手を組めるめどが立てば、ぜんぜんありえない話ではないです。旧安倍派と旧二階派などの仲人になれる存在である、自民党の「改憲論」をリードしてきた渡邉恒雄さん(讀賣新聞社)の人生最後の大仕事ということも考えられます。
全般的に政治家が小粒になっていて大きな絵を描ける人がいないので、自民党を割るほどの剛腕がある方が見当たらないんですが、衆院選の結果次第では、政治の季節がやってくるかもしれません。でも、1990年代の再来は真剣にイヤですね。
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