質問
先日経済系の記事を読んでいたら次のような記載がありました。
「○○氏はファンドマネージャーの上位1%に位置し、10年間のSP500が年率13.8%のリターンであるのに対して14.0%のリターンをあげている」
PF理論的にも私の経験的にもインデックスを超えるのが難しいことなのはわかってはいるものの、手数料とってる人たちのほぼすべてが誰でもできるインデックス投資を超えていないのはひどいなと正直思いました。
りおぽんさんの見立てでも(この記事が適当記事なのではなく)彼らの成績はこんなものなのでしょうか。
ほとんどがなんちゃってプロで、本当のプロが1%くらいしかいない?のでしょうか。
回答
ファンドマネージャーって、別に運用が上手だから会社に採用されているわけじゃないですから、平均的なパフォーマンスをみればそんなものじゃないですか。昨日まで大学生だった人が、学歴などで採用されて、巨額の資金を運用するわけですから、全体で見れば、ど素人とそう変わらないです。その中に僕と同世代の伝説のファンドマネージャー、清原達郎さんみたいな「ホンモノ」がいらっしゃるわけです。
ファンドマネージャーとはちょっと違いますが、僕が就職した当時、東大経済学部の学生たちにとって、民間銀行に就職する場合、都市銀行に入行して支店に配属されてリーテールをさせられるのは「失敗コース」、今は亡き長信銀に入行してホールセールか資金運用部門に配属されるのが「成功コース」と考えられていました。
で、この首尾よく長信銀の資金運用部門に行けたヤツらと飲みに行くと、「俺は◯億円損失を出した」「いやぁ俺は◯◯億円の損失を出しちゃったよ」と巨額損失自慢を始めるんですね。当時の僕は個人で資産運用禁止のテレビ局の政治部記者でしたから、ふんふんと聴いていたんですが、あまりに損失額が大きいので、「お前ら、それでクビにならないの?」って心配になりました。それで聴くと、彼らの答えは「こうやって損失を出しながら勉強すればいいと上司に言われているから、まったく問題がないんだよ。もっと損失を出せと言われているぐらい」というもので、緊張感のカケラもありませんでした。
僕は「新人研修で20億円だとかそういうレベルの損失を出しても良いとは、アホな世界だなぁ」と心の中で思ったものです。後にこれらの長信銀は経営破綻したり、メガバンクに吸収されていくわけですが、その時、僕は「そりゃ当たり前だろ〜」と思いました。
ただ投資信託のファンドマネージャーでも、中堅どころで、この方は「ホンモノ」と目を付けている方は何人もいらっしゃいます。褒めるんですから名前を挙げても問題ないでしょうが、「アセットマネジメントOne」の岩谷渉平さんなんかは、明らかにホンモノですね。もちろん投資ですから常勝はありませんが、日本株の運用で長期的に素晴らしいパフォーマンスを出していると思います。
このアセワンは、ファンマネのホンモノ比率が高いので、ベテラン投資家の間で「アセワンの運用は参考になる」というのは常識だと思います。
このほかでは大和アセットマネジメントの椎名諒さんの運用は、ちゃんと社会的な課題に向き合いながら、それで日経平均をはるかに上回るパフォーマンスを叩き出しているのがすごいなと感心して見ています。
まだ参考になると目を付けているファンドマネージャーは何人もいらっしゃるんですが、数多いる日本のファンドマネージャーで、アクティブ運用をして、こうしてインデックス運用を上回るパフォーマンスを出せているのは、比率で見れば一握りでしょう。だからこうして僕がお名前を覚えているわけです。
投資信託で資産運用するのであれば、すべてのファンドマネージャーがプロというわけではありませんから、ファンドマネージャーが誰か確認するのは必須だと思います。
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