質問
2024年10月16日 回答
元兵庫県知事さん、地場の港湾荷役の業者から恨みを買った説が巷で囁かれていますが、横浜だとか神戸だとかの港町って港湾荷役の業者の影響力がそんなに強いんでしょうか?あと、港の施設(コンテナを運ぶ機械や、コンクリートで舗装された港、コンテナを置く置き場所など)って誰のものなんですか?各企業が海岸線の土地を購入して、各々で開発したんですか?今からでも新たな港を作ることってできますか?
島がに生きる者として興味があります。
回答
なかなか命知らずの質問をするね🤣。回答する僕の方が怖いわ😱。港湾荷役業者のかつての重要な仕事の一つが、陸から船への荷物の積み込みや船から陸への荷下ろしを作業する港湾労働者の手配をすることだった。この作業は日給の高賃金だけど、体力勝負の重労働で危険もあったので、命知らずの荒くれ者が集まった。昨今は差別用語として使われなくなったけれど、かつては「沖仲仕」という名称で彼らを呼んだ。
こんな荒くれ者をたくさん束ねる港湾事業者の親分が、ふつうの人に務まるわけがない。戦前戦後期の横浜港の港湾労働者を仕切り、その近代化に尽くしたのが「ミナトのオヤジ」と呼ばれた藤木幸太郎さんという伝説的な人物。現在は「藤木企業」になっている藤木組を設立した。
現在では船と陸の荷揚げ荷下ろしは、大型クレーンなんかを使っているから想像がつかないと思うけれど、かつてこれを人力でやっていた。だから、これを束ねる港湾荷役業者のボスの意向次第では、船の荷揚げ荷下ろしがストップする。つまり港町の物流が止まる。
一方、藤木さんは関東大震災が起こった時、壊滅状態になった横浜港で、沖仲仕や艀船頭といった港湾労働者を手配して、どうにか船から救援米や救援物資を荷下ろしして、横浜、そして東京の人々を救ったというエピソードがある。そんな人物に誰も逆らえるわけがないじゃない。
この横浜港の藤木幸太郎と、戦後相携えて発展したのが神戸の港湾労働者を仕切った山口組3代目の田岡一雄さん。そう、あの山口組。この田岡一雄さんが設立したのが甲陽運輸という企業。みんな山口組をドンパチやっている暴力団だと思っているけれど、山口組の発展は、この港湾荷役事業の甲陽運輸と神戸芸能社という芸能プロモーション事業で、経済的に潤沢だからあり得たんだよ。田岡さんは才覚ある企業経営者でもあった。
この藤木さんと田岡さんは兄弟と呼び合う仲になって、港湾労働法や港湾運送事業法などの制定を政治家に働きかけた。
そして「全国港湾荷役振興組合」を設立、藤木さんが初代会長、甲陽運輸社長だった田岡さんが副会長に就任、全国の港湾荷役業者をまとめることになった。
しかし東京オリンピックを控えた1961年に、当時の池田勇人首相が治安強化を指示、その結果、警察庁が「第一次頂上作戦」(全国暴力団一斉取締り)を実行する。これを受けて田岡一雄さんは甲陽運輸の社長を退いて、山口組と甲陽運輸は分離される。後を継いだのは田岡一雄さんの子息で、慶應義塾大学経済学部出身の田岡満さん。この田岡満さんも東映のヤクザ映画のプロデュースをしたことでも知られている。
横浜の藤木企業も藤木幸太郎さんの子息の藤木幸夫さんの時代になるんだけど、お2人とも全国に約1800社ぐらいあると言われる港湾事業者の業界団体「日本港運協会」の副会長という要職に就いたりもしている。
言っておくけれど、これは怪しい業界団体ではないからね。日本港運協会は全国港湾知事協会や港湾都市協議会と言った港湾5団体の筆頭格で、現在会長を務めているのは、現・上組会長で兵庫県港運協会長も兼務する久保昌三さん。副会長には三菱倉庫や住友倉庫、三井倉庫などの経営トップがずらっと並ぶ。港湾5団体をリードして、港湾整備事業への予算獲得を働きかけるいわば圧力団体。
藤木企業の2代目の藤木幸夫さんはもう90歳ぐらいだと思うけれど、「ハマのドン」と言われる人物。同社のほか、横浜ベイスターズの本拠地「株式会社横浜スタジアム」や「横浜エフエム放送株式会社」の経営トップを歴任された。早大政経学部卒とただのコワモテではない人物。
この藤木幸夫さんが可愛がって育てたので、横浜市議時代に「影の横浜市長」と呼ばれたのが菅義偉さん。つまり藤木さんは元首相で今も自民党副総裁の菅さんと密接な関係。
さすがにお年なので、会社の経営は3代目の藤木幸太さん(現・藤木企業会長、横浜港運協会長)や4代目の藤木幸吉さん(現・藤木企業社長)に譲っているけれど、今でも隠然たる力を持っている。最近でもこの藤木さんの力を見せつけた出来事が2つあった。
1つが横浜市が林文子市長時代に打ち出した「IR(統合型リゾート)」の招致問題。山下ふ頭にカジノを含む大規模リゾートを招致しようという計画で、2019年9月に発表された。横浜財界は乗り気で、ラスベガスサンズがIR事業者としても名乗りを挙げていた。
しかし「横浜に賭博場は作らせない」と猛反対したのが藤木さん。山下ふ頭再開発に絡んで横浜港運協会が設立した「横浜ハーバーリゾート協会」を通じて、ギャンブル依存者が増え、横浜の治安が悪化することを理由に「博打場などを横浜港にはぜったい作らせない。身体を張ってでも阻止する」と高らかに宣言した。林文子市長のことも「国や県や市がその地域のリーダーにも相談せず」「旅人同様の市長が、独断で手続きもせずに決めるのは、民主主義にも反している」と痛烈に非難。
これで2021年には事業者を選定するとか言っていた、横浜市の計画は一歩も前に進まなくなった。結局、3年後の2022年に現在の山中竹春市長が横浜IR計画を撤回して、藤木さんの全面勝利に終わっている。さまざまな職を退いた藤木さんだけど、横浜ハーバーリゾート協会の会長だけは続けていて、山下ふ頭再開発など、我が港町横浜の発展に睨みを利かせている。
もう一つが、この横浜IRがメインテーマになって争われた2021年の横浜市長選。横浜IR推進派の現職、林文子さんと、自民党の現職衆議院議員で横浜IR反対派の小此木八郎さん、革新系の山中竹春さんの3人が争う保守分裂選挙になった。
ちなみに「小此木」というのは横浜都市部在住の人なら知らない人はいない名前で、お父さんは小此木彦三郎さんと言って、代議士8期、通産大臣や建設大臣もやった自民党の有力議員だった。この彦三郎さんが政治家として目をつかんだのが、藤木企業で大番頭と言われていた人の娘さんと結婚、藤木幸夫さんの知遇を得たこと。彦三郎さんの初当選時には、選挙選をすべて藤木幸夫さんが仕切ったと言われている。
この小此木彦三郎さんの下っ端秘書になったのが、菅義偉さん。彦三郎さんは事故で急死するんだけれど、その後継選挙で八郎さんの選挙選をすべて仕切ったので、菅義偉さんの今がある。だからこの市長選では当時首相だった菅さんは小此木八郎さんを全面的に支援した。
藤木幸夫さんも小此木家とは縁が深い。何しろ小此木八郎さんの名付け親は藤木幸夫さん。だから当然、小此木八郎さんを支援するものと見られていた。保守分裂だから、横浜の経済界も自民党の横浜市議も、林文子さんと小此木八郎さんで支持が割れた。
ところが藤木幸夫さんは、出馬の挨拶に来た山中竹春さんを見て、気に入ってしまったらしんだよね。「あなたは目が鋭いから、もっと優しい目をして方が良い」とアドバイスを送ったとされる。そして「小此木八郎さんが当選するんだろうけれど、私は山中竹春さんを応援する」と公言し始めた。これで流れが変わった。
選挙は山中さんの圧勝に終わり、小此木さんは2位、横浜IR推進の現職、林文子さんは3位に沈んだ。この市長選の結果は国政にも影響を与えて、「菅さんでは選挙を戦えない」ということで、菅首相退陣の引き金にもなっている。
当たり前の話だけれど、横浜市民の投票行動にまで、藤木幸夫さんが介入することはできない。しかし知っている人たちの間では、「やっぱり藤木幸夫さんが応援した人が、横浜では選挙に勝つんだな」と思わしめたのは確か。影の横浜市長で当時首相だった菅義偉さんでさえ敵わないほどの。
こんな人に横浜市議や横浜市役所の人たちが逆らえるわけがないじゃない。神戸でもこれに似たようなことが起きたのかもしれないね。
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