地震の誤報や飛行機事故の責任追求するような質問を無理矢理聞き出したり、ジャーナリストは、内心どういう気持ちで聞いてるんですかね？

例えば飛行機事故の責任を追及するのは、陳謝の言葉を引き出したり、頭を下げる絵が撮ったりしたいからです。この場合、それが一番簡単な記事の作り方なんです。記者の腕が良かろうと悪かろうとできる仕事だし、医者だっていろんな人がいるように、記者だっていろんな人がいて、そういう追求をする自分が偉いとか、正義の味方だとか思っちゃう人もいます。そしてそれが出来てしまうんです。若い時には嫌だなぁと思っていても、これが本当に一番楽な仕事のやり方なので、いつしか慣れてしまうものです。

ただ、相手の感情を揺さぶって、思わぬ一言を引き出すのも、重要な取材テクニックの一つなので、記者会見を見ていて「ああ、こういう狙いでやったな」と思う場合もあります。ただ、それを記者会見でやってしまうと、他社の記者も聞くので、あまり得策だとは思いませんが。

僕は自分がそういうことをしたくなかったということもありますが、それ以上に、みんなと同じアングルで記事を書くのはつまらないし、記者会見に出て責任を追及するのは、パシリでもできる仕事だと思っていたので、記者会見そのものをあまり重視していませんでした。僕はその前に仕事は済ませたかったタイプです。記者会見に出るのは、その確認をする場合がほとんど。後はぶら下がって話を聞くためです。

ただ一対一の取材で、相手をクスリと笑わせるだけでなく、相手を怒らせたりして、必要な一言を引き出すことはよくやっていますした。「良い人に思われたい」と思う人には、向かない仕事です。

失礼な言い方を承知で言えば、今回のあなたの質問の仕方や物の言い方を拝見すると、あなたは記者になったら、記者会見で責任を追及したがるタイプだと思いますよ。