一流の寿司屋さんから「合わない」と思われてしまうのはどの様な事なのでしょうか？

一流の鮨屋での、客の最大の基本は「美味しくお鮨を食べること」だと思います。次いで「他の客の迷惑にならない」でしょうか。

繊細な魚の香りを損なうような香水をプンプンさせていれば、次回の予約を取ろうとして「満席」と言われる確率が高いですが、服装はこざっぱりとしていて清潔感があって、最低限の身だしなみ(Tシャツとか短パン、サンダルではない)であれば、ユニクロでも無印良品でもかまわないと思います。大将も他の客もそんなことを見ていません。

みんなが大好きなお鮨の記念写真を撮ることも、一流店では避けた方がいいです。それはお鮨を美味しく食べる行為ではないし、スマホを取り出して写真を撮られては、他の客が落ち着いて食べられません。後は他のお客さんが苦笑するような「知ったかぶり」はやめておくことです。一流店で食べている客はそんな話には飽き飽きしているし、わかっていて自分流に崩している場合もあるので、そういうことをされると迷惑なんです。

それ以外では常識的な会話を心掛ければ十分です。むしろ変な「気の利いた会話」を狙わない方が無難です。後は店内で他の客をキョロキョロ見ないことですね。こうしたお店には財界の大物みたいな人がふつうにお鮨を食べています。彼らが落ち着けないような振る舞いをすると、大将は常連客を守るために、あなたのことを拒絶せざるを得なくなります。

食べ終わったら「こんなに美味しいお鮨は食べたことがありません」とでも言ってあげれば、たぶん照れた大将が「当たり前だ」とでも言いながら、内心では喜んで、頭の中の「良い客リスト」に入れてくれたり、少しお勘定をまけてくれたりしてくれるかもしれません。僕の場合は褒めるとたいていお勘定が高くなるんですが🤣。

後は出されたお鮨はさっさと食べるとか、お鮨は出来るだけ一口で食べるといったような、お鮨をきれいに美味しく食べるための基本的なマナーを守れればもう十分です。後は落ち着いて他のお客さんに溶け込んで、お店の一部になることを心掛けてください。むしろ構えない方がいいです。

それ以外のいろんなことでお客さんを差別するようなお鮨屋さんは、そもそも一流店ではないんです。だから何にも難しいことはありません。

ご存知の通りのグルメブームで、一流の鮨屋の予約は本当に取り難くなっているし、常連客を守るために紹介制にしたお店も確かにあります。だから「ちょっとでも有名な一流店に行きたい」と考えず、そうした一流店から暖簾分けしたような若い職人がやっているお店に行くのも手です。

なんだかんだ言って僕も大昔、ウロウロししながら一流店の暖簾をくぐりましたが、現在贔屓にしているお店は、けっこうな割合で、そうしたお店から暖簾分けしたお店です。僕は、そういうお店の大将にすれば、自分が丁稚奉公している頃を知っていて、開業直後の苦しい時期を育ててくれた客なので、優先待遇になるんだと思います。最近はさらにそこから暖簾分けしているお店も増えているので、自分の年を感じていますが😅。

だから焦らず、次世代の一流店を探して、その常連客を目指してはいかがでしょうか。