今年は米大統領選もあり相場は強いアノマリーがありますが、アノマリー通りに行かないケースもあるのでは？と考えてしまいます。

NVDAの決算というイベントが無事通過して、半導体株を中心に全面高になりました。当面の達成感が出る場合もありますが、僕は上方向の蓋が外れた格好なので、日米の株式市場は、もう一段高になる可能性の方が高いと考えています。

でも治に居て乱を忘れず、です。いろんな指標を追って、いろんな可能性を見てはいます。

①あんまり自分の手の内を明かしたくはないんですが、一昨年からずっとウォッチしてきたのが、「米商業用不動産価格指数(CPPI)」です。これが予想通り下落したので、現在は「ケースシラー住宅価格指数」もウォッチしています。

米国の景況とFRBの政策の前提になると思って関心を持っているのが、米労働省が発表する「雇用動態調査(JOLTS」です。これは次の月の雇用統計の先読みの参考データとしても使っています。

結果にみんなが一喜一憂する「米卸売物価指数(PPI)」では、僕は中身をよく読んで精査することにウェイトを置いています。

他に継続的に見ているものとしては、「M2から割り出す実質マネーサプライ」「米国債の発行規模」「米政府債務残高」「ハイイールド債のスプレッド」などがあります。もちろん高官発言は定性的データとして重要です。

コンファレンスボードの「景気先行指数」は別に先行値ではないし、これで株価は動きませんが、一覧にしておくと、長期のトレンドがつかみやすいので、グラフ化して利用しています。

何かときな臭いので、昨年からウォッチし始めたのが、「SRFの残高」など、米短期金融市場の動向を示す一連のデータです。当面の米国市場に死角があるとすれば、米短期金融市場がタントラムを起こすかどうかだと睨んでいるからです。

一方、中国については発表される経済指標がどこまで信頼できるかという問題がありますが、当座、見るべきなのはやはり不動産周りだと思います。僕がウォッチしているのは、不動産投資、住宅着工件数、住宅価格指数、そして住宅指標の4つです。中国の不動産周りでは他に「不動産株指数」もフォローしています。

中国の主要な経済指標ではもちろん、国家統計局が公表する「工業生産額」「小売売上高」「固定資産投資」の３つのデータをフォローし続けています。これらがGDPの成長率などのデータに反映されてからでは、手遅れだからです。このうち当面の目玉は固定資産投資だと見ていますが、これは表面上の結果では読みきれないので、中身をよく読んで分析する技術が求められる気がします。

米中以外では、やはりブラックスワンたり得るのは、原油価格などの資源価格でしょう。僕が異変に気がつく頃には手遅れでしょうが、いちおう気休めと思って、WTI以外にもドバイスポットやEIAの「週刊石油在庫統計」などの値はチェックしています。ただこれは先読みではなく、即座に反応するためです。

世界の景況では、「主要な半導体製造装置メーカーの受注残」と「主要航路の不定期船の船賃」という、ぜんぜん異なるものをウォッチしています。最後にベテラン投資家の間で何故か世界の株価指数の先行指標と信じられている欧州の某国の株価指数があって、僕も当然ウォッチし続けています。これは当たるも八卦当たらぬも八卦でしょう😅。

②この因果関係を考えるのが相場を予測する醍醐味ですよ。材料はいっぱい挙げたので、あとはご自分であれこれ組み立ててください。

例えば中国の不動産価格が暴落すれば、中国の富裕層がどう振る舞うでしょうか？彼らが買いまくっている日本の不動産価格が大きく下落するのは避けられないでしょう。では日本の不動産価格が急落するとどうなるか？

この玉突きパズルを考えて楽しみましょう。人にはいろんな投資法がありますが、僕の場合はこれも基本のひとつになるからです。