清濁併せのむって、女性にとっては難しいことな気がします。

はい、「清濁合わせ呑むことができるかどうか」には若干、性差があるんじゃないかと僕は思っています。女性は真面目で真っ正直な人が比較的多いですから。僕のエロネタ投下にも、真面目になって怒ってくるのは大抵女性です。

「清濁」とは本来、善と悪ということです。ですから、清濁併呑は「悪をも受け入れる」ということになります。

なぜ悪を受け入れるのかというと、「悪の存在にも存在意義がある」「悪が生まれたことには必然性がある」ケースが社会には往々にしてあるからです。

また「その悪には弊害より利用価値の方が高い」といった場合も、「現在の法律では違反になる、つまり悪だけれど、測る尺度を変えれば悪ではなくなる」場合もありますし、「世の中の建前上、悪だと言われているけれど、実際には世の中にはなくてはならない悪」さえあります。

世の中の「社会通念」というものを、一度ひっくり返して、あらかじめ決められた「善」と「悪」の分別を自分なりにやり直してみる。この作業が苦手な女性が比較的多いと思います。これはどっちがいいとか優れているとかではなく、単純な性差だと思います。この他、類似の作業として「敵と味方の区別」があります。「敵であっても使えるものは泳がせておいて使う」人は比較的男性に多くて、女性は敵と味方をハッキリ分けたがる傾向がある気がします。白と黒の間にあるグレーの世界を楽しむか、それとも白と黒をはっきりさせるかということですね。

ただ投資にあたって「白と黒をはっきりさせない作業」はわりと重要なので、投資家として財をなした女性が比較的少ないのは、これもあるんではないかと僕は思っています。一生懸命に真面目に僕に怒ってくる女性を見ると、「可愛らしい」と思い、時に愛しささえ感じる半面、「この人は投資にはあんまり向いていないのかも」と考えてしまうんです。まあ資産形成ベースの話であれば問題ないんですけどね。あくまでもそれ以上を狙う場合の話です。

おっしゃる通り、政治家をやっているような女性は、本音と建前を使い分けて、使えるものなら悪でも使うタイプの方もいます。ただ政治家であっても、女性には教条主義の方や、自分の意見が否定されると許せない方が多いという印象を僕は持っています。

今の世の中は週刊誌の摘発なんかで、わりと建前優先になっていて、社会自体が「濁」を許さないようになってきました。当然、濁を受け入れることにも厳しくなっており、「おきれいな社会」を目指す方向だと思っています。これはもしかすると「社会の女性化」ではないかという個人的な考察もしています。これから「禁酒法時代の社会」みたいになるのかもしれません。ただそうなると、過去にはかえって「濁」の存在価値が上がってきました。

ほんとどっちがいいとかはありませんが、「水至って清ければ、即ち魚なし。人至って察なれば即ち徒なし」(宋名臣言行録)というのが、中国の古典が教えるところです。でも、僕はすでに現役を退いた身なので、後のことはおまかせします。