亡くなった叔母さんから受け継いだ芸術品があってその為に莫大な資産税を払ったと言ってましたが、その芸術品は今は相当な価値になっているのではありませんか？

それが何か？　まず叔母ではなく伯母で、受け継いだのは、相続時の評価額で10億円近い膨大な茶道具と東洋陶磁器のコレクションです。中には美術館級のものもけっこうあって、実際、相続してから美術館の要請があれば貸し出して来ました。伯母のコレクションは、「遺贈」ですから、相続財産の評価額に対し、55%の2割加算という高額な相続税を支払うため、僕は他に相続した現金の全てと有価証券のほとんど、それでも足りなかったので、自分の保有財産から現金を少し持ち出して納税しました。

確かに昨今の市況を考えると、伯母のコレクションの価値はさらに上がっている可能性があります。でも、僕にそれを売って散逸させる気がまったくない以上、資産価値はすべて絵に描いた餅です。毎年毎年、その維持管理コストがかかり続け、娘が相続する段階で娘が手放さなければ、また相続税がかかります。こういうものって、そういうものなんです。