今バブルなのですか？

そんなのわかるわけがないじゃありませんか。バブルは「弾けた」から後で「あれはバブルだった」と言われるんです。1990年前後の日本の不動産バブルだって、当時はちゃんとそれが正当化されていたし、2000年後のドットコムバブルだって、その時は「IT革命が進行している」と考えられていたので、バブルだなんて言っていませんでした。でも、その後、急騰した企業の株価が急落して元の株価に戻ってしまったり、さらには潰れてなくなってしまったりしたから、「ドットコムバブルが破裂した」と言われるんです。

ここで考えてみてください。ドットコムバブルが破裂して消えた銘柄はたくさんあります。でもその中にはAmazonだってNvidiaだってあったんです。ものすごく長期的な目線で見れば、2000年前後のこれらの銘柄の株価は正当どころか非常に割安だったんです。ドットコムバブル破裂はこれらの銘柄の場合、ごく一時的な調整に過ぎなかったということもできます。

僕が2020-2022年ごろに割り出した半導体株の目標株価を、現在の半導体株の株価は大きく上回ってきました。僕が株価算定の前提にした企業業績予測は、実はそんなに外れてはいません。だから僕の試算では半導体株はバブルのリスクが高くなってきたとも言えます。でも当時、半導体株がこんなに注目されるとは考えていなかったので、このバブルが破裂するかどうかはわからないんです。バブルは破裂しなければ、バブルではありません。

ただ「今回はバブルじゃない」とか「そもそも今がバブルなのか」という声が大きくなってきた頃、なぜか株価の大きな調整が入ってきたというのが、相場の歴史が教えるところです。