質問
2024年04年08日 回答
NTT法の廃止について、国防(防衛予算ではなく、通信インフラへの外資進出、通信の秘密が害されるおそれなど)の観点からも解説をいただきたいです!
マイナス面だけでなく、プラス面もあれば教えてくださいm(__)m
回答
NTT法廃止に関して、外資規制がなくなることが大きな論点の1つとされています。でも僕はこの点についてはさほど大きな問題であるとは考えていません。
まずこの問題を大きく取り上げて盛り上げようとしているのは、楽天の三木谷さんだとかソフトバンクの宮川さんといった、NTT法廃止の利害関係者です。たぶんこれが一番国民感情を煽りやすいからだと推測します。「国民の血税で構築した光ファイバー網を外資に明け渡すのか」なんていう扇情的なポストもお見かけしました。
でも、NTTの時価総額で考えれば、これをまるっと買収するなんて、極めて難しいんですよ。NTT法では外資は議決権の1/3以下しか保有できないという規制があったんですが、逆に言えば1/3までは保有できたんです。でもそんな外国人投資家は現れませんでした。また、外国人投資家が1%以上株を保有する場合、届け出なければならないといった細々とした規制はなくなりますが、もちろん5%ルールは適用されます。
外国の国営通信会社の民営化では、スペインのテレフォニカの株をサウジテレコムが10%近く買って問題になったことがありますが、せいぜいそこまでです。米国のAT&Tも英国のBTグループも外国人がふつうに買えますが、それで通信事業がおかしくなったという話は寡聞にして知りません。
ドイツテレコムは民営化されているので、日本のソフトバンクグループが2億2500万株も取得して主要株主になって、長期的な戦略的提携を結んでいます。そのソフトバンクの宮川さんが、NTT法の外資規制が外れるのはヤバいと煽るのは、ちょっと矛盾してはいませんか。
だから僕はこれを「ためにする議論」だと思っています。そんなに通信事業者に外国人が入り込むことががヤバいと思われているなら、今検討されている「電気通信事業法」の改正で「通信事業者への外国からの投資の規制を盛り込め」と主張するべきですが、この主張が聞かれないのはなぜでしょうか?なんでソフトバンクグループから外国人を排除しないんでしょうか?
問題はこれとはまったく別の「NTTが保有している技術」をどう扱うかでしょう。でもNTTの技術がNTT法でどう扱われていたかご存知でしょうか?NTT法のもとでは「NTTには研究成果の開示義務があった」んですね。さすがにぜんぶを公開してはいないとNTTのお偉いさんにうかがったことはありますが、たいていの最新技術はNTTが発行している「技術ジャーナル」という雑誌で報告されているし、「NTT R&D Furum」という年に1回のイベントで大公開されているんですね。
僕はこのイベントのプレス内覧会に行くのがとても楽しみでした。NTTが研究途上の研究開発内容を惜しげもなく開示して、研究開発のキーマンが誰かわかって、その人を捕まえる機会になるからです。もちろんこのイベントは外国人も入場できますから、彼らにはNTTの最新研究の動向は筒抜けですし、その研究者が誰なのかもバレバレです。
いまさら「NTTの技術流出が問題だ」と言われる方は、このイベントに行ったことがないんじゃないでしょうか。NTTにとって技術関連で問題だったのは、むしろNTT法による技術開示義務があったため、海外のパートナーと技術提携を結ぼうとすると、手持ちの技術がNTTによってまるっと公開されてしまうことを嫌がるため、共同研究がなかなかできなかったことでした。NTT法廃止でこれがようやくまともな民間企業並みにNDAを結んでできるようになるのは、大きなメリットです。
僕的にはむしろNTT法廃止でNTTが技術をふんだんに公開しなくなることの方が、メディアの一員として心配ですし、これまで何でもかんでもわかることができた同業他社にとって心配なんじゃないかと思っています。
一方で、僕の取材経験で言えば、日本は産業スパイに甘いですし、自分が持っている技術やノウハウの価値を上げることがとても下手です。これはNTTについても同様です。割と高度な情報が得やすい企業です。これはNTT法とは関係ないので、むしろこれからNTTに要求したい部分です。これはNTTが世界と渡りあっていく上で、必須な履修科目です。
日本でもようやく「経済安全保障」という概念が一般的になってきました。大昔、学者や霞ヶ関方面なんかのとある人たちと、その手の勉強会をやったことがあるんです。1990年代後半から2000年を少し過ぎるまでの話です。でも研究成果を有力者に持って行ってもぜんぜん相手にされませんでした。それからすると隔世の感があります。何かあれば政治がすぐ動くはずです。だからNTT法で外資規制が外れること自体は、そんなに大きな問題であるとは僕は思っていません。
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