ITバブル崩壊の際に利益のほとんどをはきだしてしまったとおっしゃっていましたが

ITバブルの時、僕は「IT株はどんどん上昇する」と考えて、それを買ったわけです。そして予想通りどんどん上がって大儲けしました。このうち利確したものは、実際大儲けしたんです。この利確益で10億円を超えます。でも利確しなかったものも多かったんです。

それが急に下がり始めた時、僕は「これは一時的な調整だから、また上昇し始めるだろう」と予測して、それを抱え込んで、調整を跨ぐことに決めたんですね。

ところが予想に反して、株価はどんどん下がり続ける。日本のハイテク株にはストップ安になって売れなくなったものもけっこうありました。

当時の僕の精神状態では、最高値からそれが6割、5割に下がっても、「もう悔しくて売れない」気持ちだったんです。後からチャートを見て「それは売るべきだった」というのは、バカでもできますが、人間のメンタルなんてそんな都合良く出来ていません。

こうして最高値から株価が1割を切って、数%になってしまった株を、売る気にもなれずに抱え込んでいたわけです。結局僕は売らなかったので、のちに株価が再上昇したものも、けっこうありました。もちろん、消えてなくなってしまった会社もいっぱいありました。