うつ病とうつっぽいは明確に異なるものだと思われますか？

うつ病とうつっぽい(抑うつ状態)に明確な違いはありません。一般に抑うつ状態が2週間以上続いて、それでも気分がぜんぜん浮上せず、気分障害や身体症状が持続した場合、うつ病と診断すると言われています。

ただ精神の病気は、内科的な病気や外科的な病気と違って、外見的にわかるわけでも、熱が出るなどの症状があるわけでもありません。医師は患者と話をする中で、その診断をつける必要があります。ですから、僕の経験で言うと、精神科医の技量には、非常に大きな差があります。中には自分が精神科にかかった方がいいんじゃないかと思うような人も案外います。

当然、医師によって、うつ病と診断するか抑うつ状態と診断するか、判断がわかれます。それどころか、パニック障害など、似たような症状を起こす病気と診断される場合も珍しくありません。

その治療法だって、カウンセリングを選ぶ医師もいれば、投薬治療を選ぶ医師、その両方を選ぶ医師、そして抑うつ状態と診断して「しばらく休息されたらどうでしょう」とアドバイスするだけの医師までさまざまです。これが精神の病気の難しさです。