今後のキャリアについて相談させてください。｜東大ぱふぇっとの米国株投資ブログ

質問

今後のキャリアについて相談させてください。

美容専門学校卒業の21歳男性です。
在学中に簿記3級、FP2級、Java programmer silver、美容師免許とその他病型の資格などを取得しました。
卒業後個人事業主としてヘアメイク業を主として収入を得ていました。
今年度からヘアメイク業は徐々に撤退していて、現在は弁護士事務所で経理や事務仕事をしています。

現在の事業を成長させることと、一番達成したいAIとMR(mixed realityの方)を使ったビジネスをするために、人脈と資本金がまだまだ足りないことから
今後、通信制大学(経済、経営)を経て海外MBAに通うのもありなんじゃないかと思っています。
現在簿記2級と中小企業診断士の資格を勉強中で、少なくともこれらの資格と通信制大学まではマストと考えています。
りおぽんさんにとって、これらの判断はどう思いますか？

回答

拝読しましたが、やっていること、やろうとしていることが盛りだくさん過ぎて、焦点が定まっていない印象を受けました。

中小企業診断士の受験資格に大卒は必要ないですが、中小企業診断士として食っていきたいなら、社会保険労務士も取っておいたほうが仕事の幅が広がります。この社労士の受験資格は確か大卒以上だった気がします。だから通信系でも大卒資格を取るのは戦略的に間違っていません。

しかし、これらの資格は取得しただけで、お客さんがつくことはまずありません。お客さんが来る繋がりが重要です。この一番手っ取り早い手段は、有力な事務所にしばらく勤務して、お客さんを分けてもらうことです。資格を取得しただけでは、その努力がムダになる可能性が大です。

また「通信系大学を卒業して海外MBAを」と気軽におっしゃっていますが、人脈ができるようなレベルの海外の経営大学院に、正直申し上げて通信系大学の卒業生レベルで合格するのは容易ではないと思います。受験にあたって、指導教官などの英文での推薦状が必要です。英語力について記載がありませんが、英文のレジュメやエッセイを用意する必要があって、推薦状を書いてくれる人と、その中身の整合性を取る打ち合わせの必要もあります。もちろん受験に際しては、TOEFLやIELTSなどのスコアが基準を満たしている必要があって、英語でのインタビューもあります。GMATのスコアの準備も必要です。

僕はたくさんの部下や学生が海外の経営大学院に留学するお手伝いをしてきましたが、あれはけっこう大変ですよ。それに大卒ならOKというわけではなく、日本の大学ならどこそことだいたい決めている大学院もあるような気がします。そして米国だと私立の経営大学院が有名ですが、その学費はとんでもなく高額です。州立大学ならまだ少しは安いですが、こうした大学も米国民の授業料を抑えて、海外留学生から取る方針なので、決して安くはないです。

こうしてMBAを取得して、投資銀行やコンサル、FANGMANなどに高収入で就職するつもりであれば、元が取れるかもしれませんが、起業したいというのであれば、海外MBA取得はマストでもなんでもありません。もしMBAをどうしても取得したいのであれば、一橋あたりの国内の経営大学院で十分だと思います。

でもAIやMRを使った事業を起業したいというのであれば、それさえ回り道です。一番手っ取り早いのは、その手のビジネスをしているベンチャー企業にどうにかして潜り込んで、そこで仲間や人脈などを増やして、タイミングを見計らって、仲間と独立することです。この時に顔が売れていれば、スポンサーになってくれる金主も現れます。またCFOができそうなメンバーがいれば、その人が資本計画や資金計画を担当してくれます。

以上のように、僕にはあなたがいろんなことに手を広げ過ぎていて、何をするか定まっていない気がしてなりません。世の中には資格をたくさん持っているけれど、それが何の役にも立っていないという人がけっこういます。それにはならないように気をつけてください。

まずは「何になりたい」のかよく検討して、そのためには何が必要なのか、よく戦略を練ってください。