叔父の家から生前祖父がまとめた論文がたくさん出てきました。

お金をかけられるおつもりがあるのなら、「自費出版」するのが一番良いと思います。最近は大手出版社でも子会社などで、この自費出版を手掛けています。

ご参考までに言うと、残されているのは、おそらく紙の原稿用紙でしょう。現在の出版は基本的にPC上のテキストデータで編集のやり取りをします。ですから紙の原稿用紙で渡すと、おそらくテキストデータへの入力代が取られます。安くあげたいのであれば、誰か暇な人に安いお金でアルバイトで打ち込ませるのも一手です。それでテキストデータで渡すわけです。

それ以外にかかるのは、編集費、校正費、デザイン料、用紙代、表紙まわりの装丁費(ハードカバーにするのかソフトカバーにするのか、など)、印刷代、製本代などが主なものです。

費用は①発行部数(制作部数)、②編集・校正にどれだけ手間をかけるか、③ページデザインにどれだけ凝るか、④1色刷り(モノクロ)か4色刷り(カラー)か、さらに特色も使うのか、この場合、本文は1色刷りでいいと思いますが表紙周りなんかをどうするのかですね、⑤表紙まわりの装丁にどこまで凝るのか、そもそもカバーをつけるのかつけないのか、⑥用紙にどこまで凝るのか、本文ページ以外の前付なんかの紙を変えるのか、その場合どんな紙を使うのか、⑦天金や天染め、三方金などあたりまでこだわっちゃうのか、どんなはなぎれを付けるのか、⑧どういう印刷と製本をするのかーーといった要素で、お値段がピンキリになります。

さらには⑨書店流通させるのか、という大きな問題があります。させたい場合、書店営業費や広告宣伝費から本の在庫を置いておくための倉庫代がさらにかかります。額は小さいですがISBNコードを取得するといった費用も発生します。著作権を守りたいなら、著作権取得費も額は数万円ですがかかります。

ただ、子孫のために残したいというお話であれば、そこまで刷り部数を増やさなくてもいいでしょうし(100部ぐらい？)、書店流通をさせる必要もないでしょう。出版記念にいろんな方に贈呈すると「発送費」が取られると思いますが、在庫を家で持てば倉庫費が浮きます。ほんと後は何をどこまで凝るのかでお値段がピンキリなんですが、そこまでこだわらなければ、原稿の量(つまりページ数)に依存しますが、30万円からマックス50万円ぐらい見ておけば、まあ十分だと思います。

ただし表紙まわりにこだわって、著作権料が必要な素材を使ってプロのグラフィックデザイナーなんかに頼むと、かなりその費用がかかります。これは刷り部数に関係なく手間とコストがかかるので。でも、自費出版でお金がかかることの多い「ゴーストライター代」がこの場合、不要ですね😅。

よく俳句同人の方や詩人の方が、こんな感じで自費出版されています。この場合も「とりあえず本にしておきたい」という方は明らかにギリギリのコストで出版されていますし、「記念だから徹底的にこだわろう」という方は、一般的に書店流通している本とは比べられないぐらい、こだわって作られていて、いったいどれぐらいお金をかけたんだろうとびっくりしてしまうケースもあります。僕はお付き合い柄、こうした方からよく献本をいただくんですが、先日も今どき珍しい革表紙の俳句集が送られてきました。こんな時、僕はつい出版コストを計算してしまいます😅。

以上に挙げた項目をチェックしながら、自費出版をやっている出版社で相見積もりを取るのがいいでしょう。この場合、ほんと何をどこまでこだわるのかで何十万円も変わりますから、見積もりの内容をよく問い合わせて確認してください。おじいさまの良い記念になると思います。これはなかなか楽しい作業になると思いますよ。ネットで「自費出版」で検索すれば、いろんな出版社が自費出版の広告のHPをアップしているはずです。