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もういっそ税金を所得税だけにして40%一律でよくないですかね?

質問

増税ばかりなんですが、もういっそ税金を所得税だけにして40%一律でよくないですかね?予算の内訳は財務省が勝手に決めてください。勝手に増やすのは憲法で禁止にする。

40%だってそれなりに大変ですが、勝手に増税決められて右往左往するよりましかなと思ってます。

回答

「増税ばかり」って言う具体的な「増税」の中身ってなんなのかな?森林環境税っていう、税の目的はともかく用途がイマイチ定まっていない税が新設されたけれど、住民税に一律1000円の加算だから、使われ方はともかく、「もう所得税を一律40%にしてくれた方がいい」というほどの重税ではないよね。

もしかすると質問者さんは「後期高齢者」に該当するのかな。であれば保険料が確かに段階的に引き上げられる。でも年収が1100万円を超えている75歳以上の老人で、今年度は6万円、25年度は13万円程度の増額だよ。後期高齢者で年収1100万円というのはかなり恵まれているし、医療費はそれに見合うぐらいはぜったい使っているはずだから、僕はこれぐらい我慢した方がいいと思うよ。これも年収200万円の層であれば、2年かけて4000円弱の増額だし。

一定以上の収入がある高齢者の介護保険の自己負担も1割から2割に引き上げられたけれど、それもそれ以上のサービスを受けているんだから払ってあげようよ。我が家も僕の母が該当した。だから、あなたが所得の多い後期高齢者なら増税ばかりという言い分には納得するけれど、冥土に金は持っていけないんだから、お互い綺麗に人生を終わろうよ。

それとも君は巨額な脱税をしているのかな。確かに無申告の加算税が20%から30%に引き上げられたことで、収入をバックれていた一部のインフルエンサーが騒いでいるみたいだけれど、僕には収入を無申告でバックれていたヤツにちゃんと申告しろよとしか思わないけれどね。サラリーマンが完全に収入を捕捉されているのに、自分たちだけ無申告でバックれていたいというのはムシが良いというものだよ。

2024年の税制で決まった大きなことと言えば、所得税と住民税で合計4万円の低額減税で、これはもっと上手いやり方があったとは思うけれど、増税ではなく「減税」だよ。これをインフレ率以下だから実質増税だって無理矢理、増税として騒ごうとしている輩もいるみたいだけれど、さすがに論旨にムリがあると僕は思うけれどね。

この他、低所得層には最大10万円の給付も行われるみたいだね。年収2000万円超は除外だから、僕はもちろん低額減税も給付金も対象外だけれど、これは仕方がないよ。もしそれを言っているのなら、一緒に我慢しようぜ。

住宅ローン減税の対象になる借り入れ額の上限額が引き下げられたのは、これから住宅ローンを借りようとする人には確かに痛いけれど、夫婦どちらかが39歳以下の家庭や子どものいる家庭ではこれも見送りになっている。子どもがいる家庭では子ども用の手すりを付けたり、防音工事をするリフォーム代金は費用の10%まで所得税から差し引ける「住宅リフォーム税制」も導入された。これまでは老人の介護だけが対象だったから、これも妥当な措置だと僕は思うよ。

年収が500万円までの1人親が所得税の課税対象から35万円を控除できる「1人親控除」も年収1000万円まで拡大されたし、控除額は38万円になった。まだまだ制度的に不十分だと僕は思うけれど、少なくとも「増税」ではないよね。

タワマンを使った節税策が、マンション価格の相続税評価額の基準見直しで大幅に引き上げられたのは、確かに僕らにとっては痛い話。でもこれはこれまで抜け穴が大き過ぎた方が問題なんだと僕は思うよ。例えば2億円の現金を相続させると40-45%の相続税がかかる。でもこの2億円でタワマンを買えば、やりようによっては相続税額を12万円程度に抑えることも可能だった。そりゃあ富裕層はみんなタワマンを買うよね。

これが実勢価格の6割に引き上げられたんで、理論上500万円程度、相続税が増えるってんで、富裕層は騒いでいるけれど、やっぱり僕には改正前の方がおかしかったとしか思えない。これでバカみたいに高騰していたマンション価格も少しは下がって、実際で自分が住もうとマイホーム購入を考えている層に手が届くようになる可能性だってあるよね。

防衛増税はとりあえず見送られたし、たばこ税の増税は時代の趨勢を考えれば仕方がないんじゃないのか。

もしかすると君は中小企業の経営者なのかな。去年、中小企業でも月60時間超の時間外労働をさせると、割増賃金率が25%から50%に大幅アップされた。今年からは猶予されていた運送業や建築業の時間外上限規制が適用される。これで立ち行かないって騒いでいる中小企業経営者もいるけれど、これで立ち行かない事業構造を見直す方が僕は先決だと思うけれどね。その一方で「中小企業の人手不足問題は深刻」とか騒いでいるけれど、低賃金で長時間労働させたら、人が来るわけないじゃん。社会保険の適用が50人以上の事業所にまで拡大されることもおんなじ理屈。

相続税に対する生前贈与の仕組みを見直したのは、お金を持っている高齢者から、子育て世代への財産の移転を早めに推進するものだから、悪い制度変更ではない。結婚や出産資金への贈与税非課税制度が2年間延長されているのが来年には廃止される見通し。この時期にそれはないんじゃない、時期が悪いから再延長した方がいいとは僕は思うけれど、少なくともこれは「増税」ではないよね。

僕が一番問題だと考えているのは、児童手当の拡充とバーターで16-18歳の扶養控除を引き下げないし廃止する方向で話が進んでいること。トータルでは収入がプラスになるよう制度設計するとは言っているけれど、現在提示されている試案で計算してみたら、年収が1000万円超だと若干支払う額の方が増えるケースもありえた。

でもそんなことより、少子化問題は、今や国家の存亡に関わる喫緊の課題。手当だけで少子化問題が解決されるとは思わないけれど、せめてそれぐらいはバーターとか考えず、ばーーーんと大盤振る舞いしたらいいんじゃないのか。そうすりゃ国も本気だって伝わる。バーターとか考えるのは、いかにも財務官僚っぽい思考だけど、政治家主導で、もっと大きな絵を描いた方がいいんじゃないかな。

以上のように、確かに増税や国民の負担を増やしていないわけではないけれど、①高収入の後期高齢者から取る、②節税しまくっている富裕層から取る、③子育て世帯や低所得層には定額減税や給付で対応するーーって対処法は、大筋では間違っていないと僕は思うよ。手際が悪いところはあるけれど。

100%収入を補足されるサラリーマンに対して、この国にはちゃんと税金を納めていないお金持ちが多過ぎる。僕が消費税増税論者なのも、もうちょっと取るべきところから取れば、サラリーマン家庭の負担をもっと減らすことができるはずと考えているからなんだ。もちろん消費税増税は所得税の大幅減税ないし所得税の撤廃が大前提だし、導入には消費の冷え込みに対する政策や逆累進性の問題を解消する対策が必要で、慎重な議論が必要。

でもこの国には税金をロクに払っていないお金持ちがとても多い。それを年収1000万円にも満たないサラリーマンたちが重税感に喘ぎながら支えている構造はなんとかしなくちゃならないと思う。

もう一つの大きな問題は、こうやって子育て層やサラリーマン層、低所得者層にいろいろ手当しているのに、インフレ率の方が高くて砂漠に水を撒いたみたいになっていることだけれど、これは税率とは別の問題だよね。

さて、ところであなたが「所得税を一律40%にしても良いからもう勘弁して」と言いたい増税って、いったいどれ?

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