質問
マル経やポストケインジアンといったミクロ的基礎のないマクロ経済学には、いったい何の意味があるのでしょうか?
回答
僕の卒論は、当時まだ超珍しかった不均衡動学理論なんだけど、市場メカニズムの完全性に依拠して、均衡分析を相変わらずひっくり返しているため、いろんな現実を説明できないで困っている新古典派経済学だとか新古典派総合って、やって意味あるの?とかいう大暴論を言ってみてもいい?🤣。
いちおう回答しておくと、マル経と近経は理論の段階ではなく思想(哲学)の段階で違うんだから同一俎上に載せるのは馴染まない。ポストケインジアンについて言えば、新古典派経済学を批判する人は多かったけれど、それに代わるものを提示した経済学者はなかなか現れなかった。でも「まともな」ポストケインジアンは、それに代わるものを提示したという意味で、無意味なものではない。「まともな」ポストケインジアンは新古典派を消化した上で、自論を組み立てている。いささか怪しいヤツらもいるけれどね。M◯Tとかとは混ぜないでくれ🤣。あとここではニューケインジアンはどうしようね。
例えばさー、新古典派だと、実質賃金が増えれば失業率はどうなる?答えてみて。実質賃金を増やすと利潤はどうなるのさ。そもそも有効需要が増えた場合、本当に必ず価格は上がっているの?政府が財政政策で赤字を出した場合、そんなに綺麗に利子率がそれに応じて上昇したり、インフレ率が上昇しているかなー?
ポストケインジアンって、結局誰をもってポストケインジアンって言うのかにも依存するんだよ。ジョーン・ロビンソン?ニコラス・カルドア?ピエロ・スラッファ?この辺のケインジアンサーカスとその周辺の人たちをどう扱うの?
新古典派経済学にはハッキリとした弱点がいくつかある。まず「個人の自由主義と市場のメカニズムの完全性」に依拠するあまり、「政府の介入」を本質的に否定している点。現実はそれで上手くいっている時もあるけれど、上手くいかない時も少なくないじゃん。
僕が大学でやった不均衡動学理論も、ある意味、新古典派から見れば異端だったから、僕が卒論を書いてから長らく日陰の理論に追いやられていた。再び注目されたのは30年後。政府が介入せず市場に任せておけば何事も上手くいくんだと新古典派の経済学者たちが言っていたのに、「なぜか」2008年に世界金融危機は発生して、あの時新古典派の経済学者たちはオロオロして説明に困ったんじゃなかったっけ?おかげで久しぶりに不均衡動学理論が脚光を浴びたけどさ😅。
新古典派は構築した「モデルの完全性」を追求するあまり、しばしば「現実」を見失う。モデルはどこまでいってもモデルであって、現実ではないからね。
ホモエコノミクスなんてものに依拠しながら、個人の自由を極度に尊重するから、時折、「市場メカニズムの不完全性の罠」に嵌る。
「交換」とか「希少性」ばっかりに分析の力点を置くから、「成長」に関する分析が時折疎かになる。
まだまだ挙げろと言われれば挙げられるけれど、こうした新古典派経済学に内在する問題へのアンチテーゼとして「異端の経済学」であるポストケインジアンは、機能したとは、少なくとも言えるんじゃないだろうか。
もう70年ぐらい前の議論だけれど、「ケンブリッジ資本論争」は、いまだ解決がついていないと思うよ。あの議論はロビンソンやカルドアたちケンブリッジの連中が議論としては優位だったのに、なんだかなし崩し的にポール・サミュエルソンとかソローたちハーバードやMITの連中の言っていることが、なんとなく主流派っぽくなってしまったという不思議な議論で、実は新古典派経済学者はポストケインジアンに対して、このオチをまだ付けられていないんじゃないかな。
その意味では思想が根本的に違うから同一俎上に載せるのは馴染まないといったマルクス経済学についても、経済の「変革」という大きな命題について、新古典派経済学者はキチンとしたケジメをつけていないんじゃないのか?新古典派が経済における「変革」だとか「パラダイム転換」というものをどう説明するのか、良い論文があったら、教えてみそ🤣。
新古典派経済学が現在の経済学において「主流派」であるのは論を待たない。しかし完全ではない。だからそのアンチテーゼとして、たくさんの「異端の経済学」が存在する。この両者の間で議論が行われて、弁証法的止揚が起きる。アウフヘーベンを通じて経済学がもう1段階上のレベルに上がるというのが、僕の持論。だからやる意味がなくはない。QED.
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