財務省、為替介入上手すぎじゃないですか？

ツイッターには財務官僚をバカにする方が多いですから、そういう声も出るのかもしれません。でも、僕はこれぐらいやれるとは思っていたし、やれる人たちだからなっているんです。

財務省の通貨マフィア(通貨当局者)は、財務省ナンバー2の財務官をトップに国際局長やその審議官、そして為替市場課長とその課員が実働部隊になって実施されます。この多くのメンバーたちは国際畑を歩むことを期待されて、長期間かけて育成されます。BISだのIMFなどにも随時出向して、経験を積みます。最近では金融庁に出向して、銀行を監督する銀行第1課長に就任する方も多いです。

百花斉放の経産省に対して、財務省は上司の指示は絶対の体育会系的組織です。ですから為替介入をどう行うのかは、財務省代々の秘伝のようなものがあるんじゃないかと僕は睨んでいます。

財務官僚には出世ルートというものがあって、事務次官に就任するのは、予算を組む主計局長を前任に、主に主計畑を歩んだ人ですが、財務官には先述のような国際畑を歩んだ人がなるのが慣例です。三村財務官は、為替市場課長から国際局審議官、国際局長、そして財務官と完全にこのコースの王道を歩んできた人です。技量的にも精神的にも準備ができていないわけがないじゃないですか。

財務官にとって、為替介入なんてたくさんある仕事のひとつに過ぎません。各国の金融当局者が集まるような会合で、例え財務大臣が出席するような会合であっても、大臣に帯同して、実際に他国の金融当局者と渡り合って、交渉を行って日本に有利な条件を引き出してくるのも、財務官の仕事です。ですから見た目はどうあれ、相当強かな人がなります。

現在の三村財務官は、確か財務省で国会対応を指揮する大臣官房文書課長も歴任されていたはずです。こんなもん凡人なわけがないじゃないですか。

そして財務省で財務官はここで終わりの上がりのポストですが、キャリアはそこで終わりではないです。神田さんの前任の岡村さんは現在IMFの専務理事だったと思います。これとアジア開発銀行総裁が、最近では財務官の後に就任する良くあるポストです。このルートを経て、日本銀行総裁に就任したのが黒田東彦さんでした。

日本で一番「通貨のプロ」になるように、長期特別栽培された人たちですから、逆にこれぐらい出来なくては日本が困ります。

それでも、世界各国の通貨マフィアと渡り合い、通貨投機筋を抑え込むのは大変なんですが。