今の日本の状況で利上げなんかして大丈夫なんでしょうか？

ツイッターには昨日今日、「誰にでも金利がわかる本」みたいな初心本を読んでいきなり金利が金融政策のことに詳しくなったつもりで、金利が上がると景気が冷え込むんじゃないかとか、株価が下がるんじゃないかと言った、経済学というより高校の政経レベルのことをギャーギャー言い募る知恵足らずがいっぱいいる。金融政策当局者は、そんなこと0.1秒も考えなくたってわかるんだよ。

確かにそういう理屈もある。だけども、利上げには行き過ぎた円安に歯止めをかけて、インフレを抑制する効果もあるんだよ。今の日本ではインフレのおかげで名目賃金を上げても実質賃金は下がるし、内外金利差などに起因する過度の円安によるコストプッシュインフレの傾向も強い。これらをぜんぶ勘案して、金融の専門家たちが利上げをするべきか否か、するとすればどのぐらいが適正か議論して金利を決めている。

僕であれば、金利や金融政策にはど素人のツイッターの知恵足らずの言うことより、長年金融政策に携わってきた金融のプロの言うことをまだ信用するけれどね。円安であれこれ言っていたツイッターの無知蒙昧な連中たちが、財務省の為替介入の手際を見て手のひら返しをしているみたいだよね。僕はこういうアホたちのことを、自分の言っていることにまったく責任が持たない心底クズな連中だと思っている。

金融政策はあんばいが難しいんだよ。僕だって正直なところわからない部分も多い。それを昨日今日、ビギナー向けの本を読んでわかったようなことを呟いている連中は、ある意味でこの世の害毒でしかない。ゴキブリみたいなもん。

今の日本の金融政策は、10年以上も続けてきた「異次元の金融緩和」やそれにともなう「ゼロ金利」「マイナス金利」を世界でも例を見ない長期間続けたことによる副作用に苦しんでいるところ。市中銀行が日銀当座預金をすると逆に金利を払うっていう状態が、正常であるわけがないじゃない。そうやって無理矢理、銀行が手持ちの資金を日銀当座預金に預けず、民間に資金を貸し出すように仕向けたのが「異次元の金融緩和」の一つの本質だけれど、弊害が多いことは最初からわかっていた話。それでもいろんな事情を勘案して、今は日本経済に刺激を与えるべきだと判断したのがアベノミクス。

人間は今の状態が変わることを忌避する生き物だから、何かが変わろうとすると、生理的に拒否反応を起こす。でも、その前提になるのは、経済学ではなく高校の教科書レベルの浅知恵。それで金融のプロたちの判断にあーだこーだいちゃもんを付けようとするんだから、無知な生き物って恐ろしいよね。

金利を上げたら景気にどれぐらいのマイナス効果があり得るか、あっちは0.1ポイント刻みのレベルで試算して検討しているのに、ツイッターの知恵足らずたちは「金利を上げたら景気に悪いんじゃないか」っていう程度の犬でもわかりそうな理屈で文句を言っているんだよ。せめて「GDPを何ポイント押し下げるから、インフレ率が何ポイント下落しても見合わないんじゃないか」というレベルで文句を言えよ。あっちはそのレベルで検討しているんだからさ。

無知蒙昧な人たちでも一丁前に意見を言う場が与えられたのがツイッターの利点だけれど、ゴキブリが二本足で立っているような愚民がますます蔓延るようになったのがマイナス。みんな自分たちが財務官僚や日銀のトップより賢いと勘違いして、自分たちにやらせた方が上手くいくような勢いでモノを言っているけれど、プロと、ど素人に毛が3本足りないレベルの自分たちの力量の違いもわからない水準だから、無知蒙昧なんだよ。

相手が何十年この道に携わってきたか考えてみろよ。その道50年の陶芸家が作品を作ってさてどうしようか悩んでいる横で、そこはもうちょっと反りを入れた方が見栄えがいいですよ、ってどしろうとが指示しているようなもんなんだよ。だから無知蒙昧の厚顔無恥ではできないとできない所業なんだ。

僕は今の金融政策を継続して、ゼロ金利政策なんて無理に継続していたら、日本発の通貨危機や、日本の「トルコ化」だってあり得ると常々懸念していた。円が暴落したりすれば、景気がちょっと冷え込むどころの騒ぎじゃないよ。

これはあくまでも僕の推論で、金融政策のプロたちがどこまでこの可能性を考えたかなんてわからない。でも10年以上も世界の経済史でも極めて異常な政策を副作用覚悟でやってきたんだから、どこかで正常化はさせるしかないんだよ。

どうせいずれツイッター民はまた節操もなくいつもの手にひら返しをするんだろうけれど、相手はプロであって、自分たちは素人以下だと言うことは自覚した方がそろそろいいと思うよ。だってこの連中、世の中の邪魔で害毒なんだもん。