日本の政治は劣化したと思われますか？

良くなった面も劣化した面もあると考えています。昔に比べれば、お金に関してはずいぶん明朗会計になっていますし、口利きや露骨な利益誘導も減って来たのが、良い点です。

僕が代議士の私設秘書をしていた当時、僕は金庫番の下で政治資金を受け渡したり、内密のお使いをするのが担当でした。でも先輩秘書の中には支持者のさまざまな陳情を受け付ける人もいました。民間企業のコネ入社の斡旋ぐらいならそんなもんかと思っていましたが、代議士の選挙区の地元自治体の公務員や学校教諭の就職の斡旋とかも多かったので、これはなんだかなぁと思ったものです。特に試験で跳ねられるような人をなんとかしてしまうのは、いかがなものかと。もちろんここでは書けない利益誘導の話もいろいろありました。

ただその一方で、政治家が「小粒」になったことだけは確かです。頭デッカチの傾向が強くなって、人としての度量が小さいというか、人間的な魅力を感じさせる政治家がいません。まあ「よっしゃ、よっしゃ」で物事を決めるのも問題なんですが。スケールの大きい政治家が育ちにくい政治的土壌になってきたんではないでしょうか。

以前は「官僚が考えて、政治家が決める」というのが、日本の政治システムでした。最近はこのシステムがぐちゃぐちゃになっているように見えます。