鱧はやっぱり韓国産がお好きですか？

確かに韓国産の鱧が一番脂のノリが良いとは思うんですが、僕が鱧に求めている味わいに近いのは、やっぱり淡路産や徳島産の鱧なんです。鱧は梅雨を経て美味くなるとよく言われます。季節の風物詩という「気持ち」を味わう面もあって、梅雨明けの淡路産の手頃なサイズの鱧を7月にいただくことにしています。

大き過ぎる鱧は脂が乗り過ぎていますし、小さな鱧は骨が多いです。韓国産の鱧が天然物の直送が多いのに対して、国産の鱧は流通経路が複雑で、サイズもバラバラです。なんらかの形で養殖されたものが多く出回っているため「韓国産の方が美味い」とおっしゃる方が出てくるんじゃないかと思っています。でも高価ですが、淡路産の純然たる天然物が入手できないわけではなく、これをちゃんと捌いてくれる料理人がいるお店で食べれば、相当の美味ですよ。

僕の場合、関東にいてどうしても食べたくなる魚ではないので、祇園祭の頃、京都に行って淡路産の鱧が食べたいというのが「気分」。今年は7月28日から京都なので、この時にいただきます。

実は家政婦さんも鱧が捌けます。ただ関東では良い鱧を仕入れるのが大変だそうです。