りおぽんさんが好きな俳句ってありますか？

実は僕は俳句のとある同人に属しています。また気に入った俳句を新聞の俳句欄に投句しているので、時折、新聞の日曜欄に僕の俳句が掲載されています。

ですから好きな俳句はたくさんありますが、種田山頭火はぜんぶ好きです。定型句であれば「気まぐれの　旅暮れて桜　月夜なる」なんていかがでしょうか。「旅暮れて桜」はなかなか続けられません。「一つ家に　一人寝て観る　草に月」もぽつんとした感じがたまんないです。

自由律では「今日の道の　たんぽぽ咲いた」。これを一廉の俳人が深い意味を込めているのがすごいです。「分け入っても　分け入っても　青い山」「ほろほろ　ほろびゆく　わたくしの秋」「酔うて　こほろぎと　寝ていたよ」「うしろすがたの　しぐれていくか」「落ち着いて　死ねそうな　草萌ゆる」ーーこの辺になると、絶望的なほどの才能の差を感じます。

「どうしようも　ないわたしが　歩いている」「まっすぐな道で　さみしい」「生死の中　雪ふりしきる」ーー先日回答しましたが、僕はフランス人の文学者の友人に協力して、種田山頭火の俳句の仏語訳を手伝っているんです。この3つの俳句をフランス語に翻訳するのは雑作もありません。でも山頭火の俳句の味わいがぜんぜん出せないので、いまだのたうちまわっています。