中国人による日本の不動産の購入について、いつ頃がピークだと思われますか？

中国人の日本の不動産購入は、ピークは超えたけれど、まだ高原上にしばらく続くと想定している。これは中国人の保有目的が関係している。

彼らが日本の不動産を買い漁る最大の理由は「中国では土地は国有」ってこと。売買できるのはその上に建っている建物だけ。だからいずれ建物が古くなれば、価値が減ってしまう。その割には建物の価格がむちゃくちゃ高い。

その点で日本なら彼らも不動産を土地からまるっと買える。価格も建物しか買えないのにお高い上海なんかよりお得感がまだまだある。日本人には昨今の不動産価格の高騰はビビるけど、彼らは「まだ割安」だと思っている。

②最悪の場合の自分の住まいになると考えている。
これも日本人の感覚にはないものだけど、僕の香港人の友人も台湾人の友人も、「万が一が起きたらまず日本に逃げる」と言っている。実際、僕の友人には日本で不動産を買ったけれど、いつでも自分たちが住めるように、人には貸さずに空き家にしている家を一軒は持っている。

中国系の富裕層にとって、日本はまず思いつく逃げ場所なんだ。だから新しく富裕層になると、「いざという時のために日本に不動産を買っておけ」ということになる。

③日本が彼らの購入に支えられている。
これだけ外国人に不動産を買われれば、ふつうは国民の反発が起きる。確かにツイッターではそういう声もあるけれど、彼らはお金を持っていないから、屁の突っ張りにもならない。

現実問題として、最近の地方都市の地価は、中国人の購入が支えている。当然、固定資産税などの払い手として、彼らを無視できなくなっている。もし中国人の土地保有を規制すれば、地方都市を中心に、日本の地価の大暴落が発生する。この時、ツイッターでウジウジ言っている連中は買い支えられない。

だから特殊な施設の周囲はともかく、彼らが日本の不動産を買うことを推進することはあっても、止めることはもうできない。特に日本人が誰も買わないような土地の買い手として、彼らは欠かせない。

中国人がもし日本の土地を買わなくなるとしたら、「日本には未来がない」と踏ん切りをつけて、日本は「逃げ場所にはならない」と判断した場合。つまりカントリーリスクが高いと見た場合。彼らには日本に対する忠誠心はないから、その場合はシンガポールや華僑が多いマレーシアなんかに目が向くと思う。

でも中国人にさえ見捨てられる日本というのは、あんまり想定したくはない。