天皇皇后両陛下がイギリスを訪問されたときの動画を拝見しながら日本人として誇らしい気持ちになりました。

僕には今回の天皇・皇后両陛下のお振る舞いにサプライズはない。オランダ王室と並んで、天皇家にとって英国王室は長い交流の歴史があるからね。

以前回答したことがあるけれど、天皇陛下は日本の外交における究極で最後の切り札なんだよ。第二次世界大戦後の日本への風当たりが厳しかった時代も、皇室外交でそれを和らげてきた歴史がある。

制度的にコロコロ変わる日本の首相の外交における力はそんなに高くはない。米大統領と握手できて、ファーストネームで呼び合えただけで喜んでいる姿を見ると、僕には特にその思いが強くなる。でも、その米大統領でさえ、来日して天皇に謁見することには格別の思いがあるようだよ。日米貿易摩擦が厳しかった時代でさえ、そうだったからね。

世の中には天皇制廃止論者もいるけれど、首相にも外相にも、もちろん外交官にもできない、「日本外交の究極で最後の切り札である」という点だけでも、たかだか年間120億円ほどの皇室費でそれを持てるのは、日本国民から見てどう見ても割安だというのが僕の判断。

しかもこの120億円の内訳の大半は、まさに今回のような儀式にまつわる儀典関係費や皇居などの設備の維持にかかる管理費や修繕費などからなる「宮廷費」と呼ばれるもので、天皇家の生活費や私的な旅行、災害なんかが起きた時のお見舞い金、私的な来客への接遇などに使われる「内廷費」、いわゆる「お手元金」はたったの3億円ちょっとなんだよ。

それであれだけ機能してくれるのは、常々ありがたいと思ってきた。天皇家のいわゆる「皇室外交」には数多の実績があるので、今回のことぐらいは、天皇家なら朝飯前だと僕は信じている。だから少しも驚いてはいない。