小池重明さんと対局されたことがあるのですか！？

ここに食い付いて来た方が複数人いらっしゃいますね😅。小池重明さんは伝記のような本も出版されて、伝説のアマチュアになってしまってびっくりしています。僕がもっとも将棋を指した頃は、小池さんが新宿の将棋道場に居付き、真剣師として「新宿の殺し屋」と恐れられていた闇の世界から、アマ強豪として表の世界に出て来た時にちょうど当たります。

当時、日本最強の真剣師と言われていた大阪のアマ強豪、加賀敬治さんという方と、大阪の通天閣で死闘を繰り広げたり、支援者を得てアマ棋界に挑戦されてアマ名人になったり、トップクラスのプロ棋士と戦って勝って、「プロ棋士殺し」として話題になったりした頃です。僕もその頃は学生強豪でしたので、対局すること自体は別に不思議なことではありませんでした。僕も生意気でしたので、小池さんに勝つ気十分で挑みました。

小池さんの対局姿で特に印象はありません。しかし、ふつうに将棋道場で指したんですが、アマチュア同士の格別のアマ大会でもない対局なのに、支援者のような方がいて、ちゃんと棋譜を取っていることには驚きました。

対局は3局とも同じような展開で進みます。序盤は定跡に明るい僕の指しやすい展開になり、中盤から終盤にさしかかるまではけっこう有利に進むんですが、そこで小池さんが怪しい手を連発してきて、僕がそれを疑問手かと思っていたら、気が付いたらひっくり返されていました。「なんだかよくわからない負け方をした」という印象です。

僕は小池さんが高段のプロ棋士と対局しているところにも居合わせたんですが、おんなじような勝ち方で小池さんが勝っています。「アマチュアはプロ棋士にはぜったい勝てない」と言われていた時代でした。「なるほど真剣師として、お金を賭けて戦ってきた人は、こうやって勝負には勝つのか」と感心した記憶があります。プロ棋士の方が冷静さを失っていたのが、印象に残りました。

ただ当時、小池さんと指したことは、僕にとってはそれほど特筆すべきことではなく、名人位に挑戦をしたばかりでバリバリのA級八段だった某トップ棋士に、平手で教えていただいたことの方がよほど特筆すべきことでした。これは見事にコテンパンにされましたが🤣。