なぜ国は少子化が止まらない！という一方で様々な増税を無理にでも推し進めようとするのでしょうか？

わからないところがあるんですが、「社会保険料の拡大」は「社会保険適用拡大」とは違うものですか。「社会保険適用拡大」であれば、従来、社会保険適用外だった非正規雇用やパート労働者にも社会保険を適用しようというもので、基本的には制度の改良です。ただこれで扶養者から外れてしまう主婦が出るなど注意点は指摘されていますが。

「主婦年金」というのは正式には「第3号被保険者制度」と言われて、「第2号被保険者」の夫を持つ専業主婦であれば、保険金を払わなくても年金がもらえるという制度です。1986年にできました。

しかしこの制度にはかねてよりいくつかの問題が指摘されてきました。最大の問題は、パートなんかで働きに出た専業主婦が「扶養者」から外れないために、年収を調整して一定時間以上は働かないことです。労働力不足の日本にあって、有能な働き手としての専業主婦に対する期待は大きい。ですから「社会保険適用拡大」でパート主婦でも社会保険が受けられるようになるのとセットで、主婦年金制度を廃止してもいいんじゃないか、という話です。

またこの主婦年金というのは、サラリーマンや公務員などの第2号被保険者の奥さんだけが対象です。自営業者やフリーランスなんかの奥さんは対象外です。働き方が多様化する中で、これはちょっと不公平じゃないかという議論もありました。

確かに「女性を専業主婦にしておけば」出生率は若干上がるのかもしれません。しかし女性の社会参加は時代の流れです。共働き主婦も増えています。せっかく教育を受けて就労経験を積んだ有能な女性が、結婚を機に専業主婦として家庭にこもってしまうのはあまりに大きな損失だという考え方が根底にあると思います。決して国の収入を上げようという政策ではないです。

重要なのはそこではなく、女性は結婚してもどんどん働いて、世帯収入もどんどん上げる。そうして豊かになる。この状況にあっても「女性が出産してもいい」と思えるような社会制度を整えることだと、僕は思います。

特に「育児」は大きな負担です。これを出産した女性がほとんど負担する今の日本では、たぶん他にどんな政策をやっても出生率なんて上がらないと思います。「女性を家に閉じ込めておけば出生率は上がる」というあなたの言い分の根底にある発想はあまりに古いです。

日本社会における女性のロールモデルを根本から見直し、「育児は社会がみんなでする」「出産と育児によって職業人としての子育て夫婦のキャリアに損失がない」「子どもを産んだことによる費用負担と、子どもを産んだことによる利益を計算して、これがプラスになるようにする」といった、現状の日本の認識を根底からひっくり返す政策を取らないと、出生率なんて上がらないですよ。

最後の「さまざまな増税を無理にでも推し進めようとする」というのは、具体的には何のことでしょうか。問題があるとすれば「医療保険料を上乗せ徴収して、子ども・子育て支援金にする」という医療保険制度の変更が子育て世代に関係あるぐらいですね。確かにこれはいい制度改正とは言えないかもしれません。高齢の富裕層から徴収するといった、もっと良いやり方があったと思います。1人年間1000円程度の森林環境税を、あなたは本当に少子化に影響があると思って言っていらっしゃるのでしょうか。

相続税の制度改正を増税と言っている方をツイッターで見かけますが、今回の改正の最大のポイントは、親から子育て世代の子どもへの生前贈与をやり易くして、財産の移転を早めようというものです。もうツイッターは「ためにするデマ」が多くて嫌になります。

もし政府の税制改正に落ち度があるとすれば、僕みたいなのに対する「富裕税」を創設することを、いまだに躊躇していることです。僕の譲渡所得に対する課税は、サラリーマン世帯に対する課税に対して、明らかに低過ぎます。でももし政府がこの新税創設を決めたら、富裕層でもなんでもないツイッターの人たちが猛反対して、僕を助けてくれそうな気がしますが🤣。