りおぽんさんは相場の波から、自分の考えや手法又は感覚が外れているなと感じたとき、どのようにして調整しますか?

「手法」というのは、相場の波の影響を受けないものです。ズレるのは、「相場に対する読み、考え方」で、より具体的に言えば、①買うべきではない時に買い、②売るべき時ではない時に売るーーのが、被害が大きいです。

このうち、買う行為は、買わないと投資が始まりませんから、買うことはやめられません。しかし僕の最重要ルールとして、「5%という浅い損切りライン」があって、この被害を最小限にします。そしてもう一回買い直すわけですが、この時に「試行回数」「最大損失額」のどちらかをあらかじめ設定しておきます。

相場の読みが外れる被害は、個別株より先物などのデリバティブで顕著に現れるんですが、逆行◯◯円やドルでロスカット、これを◯◯回繰り返したら、相場の波に乗れてないと判断して、しばらく触れるのをやめて、頭を冷やすといった具合です。

人間は損をするとそれを取り戻そうとするんですね。そんな時にはもう冷静な判断が出来なくなっている場合が多いです。得てしてこれで大きな損失を被ります。

「確定した損失を素直に受け入れること」が、実はとても重要です。「この額で済んで良かった」という思考回路が投資家を救います。長い相場生活では波に乗れないことはしばしばあります。損を取り戻す機会はいくらでもあるので、ここはいったん取り引きから撤退して、相場研究からやり直します。

「売るべき時ではない時に売る」のは、実は経済的な被害は買う失敗より大きくなる場合があるんですが、これは笑って済ませます。「投資に感情のブレは敵だ」とこれまで何回も言ってきたと思います。1回の経済的な被害以上に大きいのは、自分の利確基準がわからなくなって、怖くて利確できなくなることです。売るべき時ではない時に売るのも淡々と受け入れるしかないんです。

僕は昨年9月以降、米国株が12月ぐらいまで調整するという分析をしていました。このため、7-8月にハイグロを中心にかなり利確してキャッシュを積み増しました。予定では12月末に買い発動する計画でした。ご存知のように9月から10月上旬にかけてやや軟調になりましたが、その後は好調に推移しています。つまり読みが外れたわけです。

僕の7-8月の利確には、最適な判断だったものも、利確しなかった方が良かったものもありました。でも僕はそれをすべて「これも相場」とすべて笑って済ませることにしました。また自分が立てたシナリオの正しさ固執するのを一切やめています。「あはは、外れちゃったよ」という感じです。

これで10月末に「冷静な判断」が出来て、相場の波をつかみ直せました。11月にキャッシュを大きく投入して、12月以降の相場の波に乗れたんです。「休むも相場」ーーすべてのゲームにおいて、「1回後ろに退いて冷静になること」は黄金律です。攻めてばっかりいると、いつか大怪我します。