東大ぱふぇっとです。
最近日本でも米国株投資家が増えてきましたね。
そのせいかそこら辺の日本人でもFRBの金融政策を何となく知っているという異常な光景()
そして、FRBの金融政策は注目を集めるのに、日銀の金融政策は見向きもされないという始末()
そんな日銀ですが、実は金融政策としては、世界に先駆けて結構いろんなことやってるんですよね。
今では欧米の中銀でも採用されている”量的緩和”も実は2001年に日銀が世界で初めて導入しました。
そしてよく耳にする”イールドカーブコントロール”も2016年に日銀が世界で初めて導入してます。まあこれは今のところ日本だけですが。
ところで皆さん、”イールドカーブコントロール”ってしっかり説明できます?
実は量的緩和とイールドカーブコントロールがごっちゃになってる人が多いんですよね。
ということで今回は、そんなイールドカーブコントロールについて徹底解説しますね。
そしてイールドカーブと住宅ローン金利の関係性についても解説します。
イールドカーブとは?
まずは”イールドカーブ”について解説しますね。
端的にいうとイールドカーブとは、下図の曲線のことを言います。
このグラフは国債の期間と金利との相関性を示したグラフです。横軸に期間、縦軸に金利を用いてプロットしていくと以下のような曲線が描けるんです。
イールドカーブは金利の期間構造をあらわして、債券投資家に重要視される指標のひとつなんです。
右上がり(期間が長いほど金利が高い)のときを順イールド、右下がり(期間が短いほど利回りが高い)のときを逆イールドといいいます。
国債は投資家の間で自由に売買されるので、国債価格の変動に伴って金利も日々変動するわけです。
よって、イールドカーブも日々形を変えていくわけですが、基本的には順イールドになってるのが普通です。
イールドカーブコントロールとは?
それでは本題の”イールドカーブコントロール”(YCC)についてです。
これはイールドカーブの形状を人為的にコントロールすることを意味します。
上述の通り、イールドカーブというのは市場原理によって決まるわけですが、これを日銀が人為的にコントロールするのです。
日銀は具体的には、短期金利と10年物国債金利の2つだけを操作しています。
短期金利に関しては、民間銀行の日銀当座預金金利の一部をマイナス0.1%(短期金利操作)にすることで操作します。
10年債金利に関しては、同国債の金利がゼロ%になるまで市場で購入し続けます。
つまり、イールドカーブのグラフでいうと横軸が0年のところと10年のところをゼロ%に操作することで、全体のイールドカーブの形状をコントロールしてしまおうというもの。
従来の金融政策では、短期金利のみを操作していました。景気後退期に金利を下げて金融緩和することで経済を刺激しようとする政策ですね。
欧州のECBや米国のFRBの金利政策は今でも短期金利の操作だけです。
なので、短期金利に加えて長期金利も操作して、イールドカーブの形状を意図的にコントロールしてしまう金融政策とは全く新しいものなんですね。
イールドカーブコントロールの狙いは?
ところで日銀のYCCの狙いは何なのでしょうか?短期金利の操作だけではダメなのでしょうか?
この問いに回答するには、まず前提知識としてイールドカーブには経済に中立的な「均衡イールドカーブ」が存在することを知っておく必要があります。
経済に中立的というのは、金融緩和的でもなく金融引締め的でもないという意味です。
つまり実際のイールドカーブが、均衡イールドカーブから乖離している場合、金融緩和或いは金融引き締め作用が働いていることになるんです。
当然ですが金融緩和であれば経済を活発化させますし、金融引き締めであれば経済を冷ます効果があります。
そしてイールドカーブの変化は、以下三つの要素に分解することができます。
- 水準(全体が平行に下方シフトする効果)
- 傾き(短期金利が低下し傾きが急になる効果)
- 曲率(下方に凸の形にたわむ効果)
このそれぞれの要素が組み合わさって金融政策の効果が実態経済に作用します。
ちなみに、①>②>③の順で経済に働きかける効果が大きいことも分かっています。
また、金利が経済に与える影響は金利の期間によって異なり、短期~中期の金利低下による効果がより大きいということがわかっています。
このようなことから、イールドカーブの水準・傾き・曲率をしっかりと操作し、金融緩和効果の高い中期ゾーン(2~5年)の金利もしっかりと低下させることで、より効率的な金融緩和を行うことができるのです。
これがイールドカーブコントロールの狙いです。
ちなみに現在の日本国債のイールドカーブはこんな感じ。
自国において証明されたの悲しい。。。
まあ昨今の世界的なインフレの流れで達成されちゃうかもですが()
それを政策効果というのはちょっとなぁ。
イールドカーブコントロールと住宅ローン金利
「日銀が長期金利をゼロ%に操作してくれるなら住宅ローン金利は今後も安泰!!」
と思った方も多いのではないでしょうか?
実はそうとも言えないんですよね。
例えば住宅ローンで最も人気な35年固定ローン。
これって償還期間30年以上の超長期債の金利に連動するわけです。
そして償還期間30年以上の金利は、日銀の操作対象ではないんですよね。日銀が操作しているのはあくまで短期金利と10年債金利のみ。
残念。。
ちなみに30年債券利回りのチャートを見てみるとこんな感じです。
実は、今30年債の利回りが2018年の水準まで上がってきてるんですよね。
これは、昨今のグローバル市場での原材料高、原油高によって日本にもインフレの波が押し寄せてきているためです。
金利というのは「経済の潜在成長率+インフレ」で決まるのでインフレすると金利も上がるわけです。
超長期債金利上昇に伴ってフラット35の金利も足元急上昇してますね。。
こう考えるとますます、YCCの恩恵を受けられる変動金利(日銀の操作対象である短期金利に連動)の割合を増やす方が合理的な判断と言えるかもしれませんね。
まとめ
- イールドカーブとは、横軸に償還期間、縦軸に金利をとったグラフ上の利回り曲線のこと。
- イールドカーブコントロール(YCC)とは、短期金利と長期金利(10年債金利)を日銀が操作しイールドカーブの形状を意図的にコントロールしてしまおうというもの。
- イールドカーブの形状を細かく操作すると、より効率的な金融緩和効果を目指せる。
- YCCの操作対象は短期金利と10年債金利なので、住宅ローンの35年固定金利はYCCの恩恵を受けられず、足元のインフレもあって上昇傾向。
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