東大グレアムです。
ロイターのコラムが面白かったので紹介します。
↓原文はこちら
Breakingviews – Chancellor: Wall Street is firmly in Wonderland
現代の金融についてユーモアと皮肉を交えて説明しています。
今回は特に秀逸でした。
私は1980年以降の金利低下の時代しか生きていないので(そもそも1980年代には生まれてすらいませんが)、インフレや高金利の時代は伝え聞くのみです。
異常が正常になってしまった摩訶不思議な世界は、ずっと続くのでしょうか?
マネーサプライと連邦債務
M2(マネーサプライ)
1980年から2020年までの40年でマネーサプライは10倍以上になりました。
連邦債務
連邦債務は1980年から2020年1Qまでで約27倍になりました。
連邦債務/GDP
連邦債務はGDPとの比率でみても、1980年からの同期間で、約3.5倍になりました。
債務拡大は経済拡大を上回るペースで進んできたということです。
長期金利
長期チャート
1980年以降、長期金利は下がり続けています。
レイダリオによれば、長期債務のサイクルは約60年かかるものであり、現在は1930年代に類似しているとのことです。
金融面だけではなく実態経済や政治の面でも似ており、格差の拡大・ポピュリズムの台頭・国際協調の悪化と保護主義といった流れが同じです。
先ほどの連邦債務/GDPと見比べると、1980年が連邦債務/GDPが一番低いときであり、逆に長期金利はそこがピークとなっていますね。
年初来チャート
コロナショック以降、長期金利は0.6~0.7ポイントあたりに張り付いているように見えます。
これはFedのコントロールを示唆しています(まだYCCは公式にはやっていないはずですが)。
アメリカの経済成長は、基軸通貨であるドルを強みとした公的債務拡大によって支えられてきました(弱い通貨で規律のない債務拡大を行えば、国債の信頼が下がりデフォルトしますね)。
Fedが長期金利を押さえつけられなくなったとき、それはドルの崩壊を意味するのですが、少なくとも今すぐには起きないと考えられます。
しかし、このようなまやかしがいつまでも続くとは考えないほうがよいでしょう。
株価
NASDAQ 100指数
NASDAQは連日最高値を更新しています。
リーマンショックの一番低い時は1,000くらいだったので、インデックス投資で放っておいてもテンバガーですね。
NASDAQ/M2
一方で、これをマネーサプライで割った値を見ると、ドットコムバブルの時がピークであることが分かります。
NASDAQ/GOLD
ドルの価値とおおよそ反比例する金価格で割っても同様です(先のグラフと対象期間がやや異なります)。
こうした指標を見て、NASDAQはまだ上がる余地があると考えることができる一方で、株価は金融緩和で通貨の価値が落ちているほどには上がっていないとも言えるかもしれません。
参考:金価格と実質金利
長期チャート
金価格(青線)は実質金利(赤線)と逆相関であり、2018年10月以降の金価格の一貫した上昇はほぼこれで説明がつきますね。
1年チャート
コロナショック中に起きた金価格の一時的な暴落はドルクランチによるものであり、前回の金融危機であるリーマンショックでも起きていました。
リーマンショックでは金価格はドルクランチによる一時的な暴落後に暴騰していますが、今回もそれと同様のことが再現されると考えています。
当時ブローオフトップで1,900以上を付けた後、1,800が心理的な節目のレジスタンスラインとなり3度反落しています。今回その1,800を継続的に突破したことが確認できれば、大きな買いのサインとして考えることもできそうです。
まとめ
異常な金融政策にいち早く足を踏み入れた日本に住んでいるので、アメリカが後追いに見えてしまいますが、基軸通貨を保有している国がこうした政策によってどんどん日本化していくのは、世界の潮流を考える上ではより重要性が高いでしょうね。
「不穏なことに、極めて異常なことが正常になりつつある」。あごひげを整え、眼鏡をかけた博士は、鋭くも茶目っ気のある表情で厳かに言いました。「金利は想像を超えた水準まで下がった。想定外の事態が普通になるときには、名状し難い問題が起こっているものですよ」
・・・
「問題の根本を説明しよう」、オイロブ氏の目はギラギラと燃えています。「中央銀行は20年以上も金利を操り、どんどん引き下げてきた。善意でやったことだが、時間の価値をもてあそんでいることが分かっていなかったのだ。資本主義のテンポという時計を逆向きに回すと、物事の正しい順番が分かる。企業がゾンビ化する、ユニコーンの群れが現れる、投資規律が失われる。富は仮想のものとなる。不平等が解き放たれる。社会が崩壊する、市場が沸騰する。。」
その時、アリスは目を覚ましました。顔はモニター画面の反映で紅潮しています。すべては夢でした。すごく不思議な夢でした。戻ってきたのは退屈な現実です。
今はまだ、金融の世界から醒めても退屈な現実に戻るだけです。
しかし人類が摩訶不思議な金融の夢から目覚めた時、現実でも大きな変化が起きているのではないでしょうか?
戦争とインフレ、覇権国の交代などが起きそうな気がします。歴史は何度も繰り返してきました。戦争といってもより高度な形になるとは考えられますが。
既にアメリカと中国は新冷戦に突入しそうな雰囲気ですし、人種間の分断の表面化、ディグローバリゼーションと国際機関の影響力低下も見られます。
私が生きている内に何かしらのパラダイムシフトが起こり、人類の歴史上かつてない平和を享受してきた先進国の良い時代が終わる時が来るのではないか、そんな予感がするのです。
ちなみに格差拡大の最大の要因は”平和による富の蓄積”です。
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